導入事例

JA三重厚生連 鈴鹿中央総合病院 薬剤部様

全7施設の採用薬マスタ管理の効率化を実現
医薬品管理を理解したシステム開発をご評価

JA三重厚生連鈴鹿中央総合病院はJA三重厚生連に加盟する、病床数460床の総合病院。
「7施設+JA三重厚生連本部」への在庫管理システム導入プロジェクトにおいて、最初の導入となった鈴鹿中央総合病院様へお伺いし、薬剤部部長 守田覚先生よりお話を伺いました。

JA三重厚生連全体の在庫管理システム統一へ

―ODSS導入前の貴院のご状況を伺えますでしょうか?

ODSSの導入以前、当会では全7拠点において合計3種類の在庫管理システムが導入されておりました。従来は、電子カルテや部門システムの入れ替えと合わせて病院毎にシステム選定を行ってきたためです。当院のシステムも導入から10年弱が経過しており、処理速度が低下しておりました。

システム統一による業務の効率化を目指し、当会全体として新在庫管理システムへの切り替えを模索し始めました。

JA三重厚生連全体の業務効率化を目指す

在庫管理システム導入に向けて特に重要視されたポイントを伺えますでしょうか?

システムの選定に際して、大きく次の3点がポイントとなりました。

①JA三重厚生連全体の採用薬マスタのコントロールが可能なシステムであること

ODSSを導入する以前から課題となっていたのが、JA三重厚生連全体としての採用薬マスタの管理でした。

薬価改定に伴うマスタの更新作業、流通停止に伴うマスタの削除など、マスタの登録・削除・修正・更新作業を病院毎に行う必要があったため、グループ全体としてのマスタの更新作業負担が増加。非常に複雑な運用となっておりました。

理想に掲げたのは、本部でのマスタの一元管理。当会全体としてのマスタ管理を簡易に行う事が可能なシステムを検討していました。

②操作方法が簡便・一貫性のあるシステムであること

また、当会内で病院間の職員異動が定期的に発生します。従来は拠点毎に導入されている在庫管理システムが異なっていたため、異動した職員は一から新しいシステムの操作方法を覚える必要がありました。全拠点でシステムを統一することで、誰がどの拠点に赴任しても同じ作業が行える事は勿論、今まで以上に操作方法を体得しやすい、そんなインターフェースのシステムを探していました。

③検査試薬の管理が可能なシステムであること

従来、当会では検査試薬の管理を薬剤部で行っておりました。薬剤部が本来業務により集中できるような体制とするために、検査室内で検査試薬の管理を行う事が可能なシステムであることも選定の条件でしたね。

ODSSは上記の要件を満たすことが出来るのは勿論、医薬品卸が開発をしているが故に医薬品管理に対しての認識がしっかりしているという事も選定のポイントとなりましたね。

―ありがとうございます。どういった事がご評価いただけたのでしょうか?

医薬品には流通、保管、使用において様々な制限やルールがあります。例えば製造販売中止日の考えや経過措置日など。

それぞれのルールや決まり事について良くご理解いただいていた上で開発されているんだろうな。と感じるシステムも有りましたが、ODSSは特に1画面の中で情報が完結する設計となっており感心しました。管理を行うユーザーが何を気にするのかという事を医薬品卸としての目線から落とし込まれているのだろうなと実感しましたね。

マスタメンテナンス、操作性向上を実感。JA三重厚生連の標準システムへ

―導入効果として実感いただいている事を伺えますでしょうか?

まずは、JA三重厚生連全体としていえる事ですが長年課題となっていたマスタのメンテナンスが非常に簡易になったと実感しています。価格や帳合のメンテナンスは本部で実施しているので、病院は新規で薬品を採用する際、薬品名を検索するだけ。JANコードや製造販売中止日、経過措置日といった付帯情報も一元管理されているので、従来よりもメンテナンスにかかる時間は大幅に削減されましたね。

また、帳票類の出力や、発注・棚卸などの通常業務の操作が早くなったと実感しております。

従来のシステムはオンプレミス型という事もあり、専用のサーバー機が長年の運用に伴うデータの蓄積で処理速度が低下していました。ODSS導入後は必要な帳票やexcelデータの出力がスピーディーにおこなえています。

ご評価いただきありがとうございます。在庫管理の運用も簡素化出来たとか?

はい、システムを切り替えたことにより薬品在庫管理がシンプルになったと感じています。

従来のシステムは電子カルテとダイレクトに連携をしており、メリットもあった半面リアルタイムな在庫数を調べるという意味で運用が複雑になっていました。今回のシステム入れ替えを機に、電子カルテとの連動を止め、部門システムで集計した薬品の使用量データをODSSで取り込む運用に変更しました。使った分だけ自動的に在庫が下がり、未使用分はハンディターミナルでスキャンをして在庫を戻す運用にすることで、シンプルな運用とする事が出来るようになりました。

適正なオーダーとなっているか否かのチェックは勿論、薬剤師が今後も行いますが仕組みをシンプルにすることで物の出し入れは非薬剤師が行うなど、タスクシフトにもつながるのではないかと期待しています。

医薬品管理の重要性を理解したシステム。今後のバージョンアップに期待。

―最後に、今後の展望やODSSの導入を検討されている方へメッセージをお願いいたします。

2023年6月を以て、JA三重厚生連全7つの事業所におけるシステム導入プロジェクトは一旦完了いたしました。今後は総まとめとして定期的な監査に対応が可能な様に必要帳票類の標準化が求められてくると思います。引き続きご尽力をお願いいたします。

また、ODSSに関しては開発会社が医薬品の卸売業をされているという事もあり医薬品の管理に関しての知識をしっかりとお持ちなので、安心して利用できるシステムであると実感しております。

全国の病院共通の課題もあるかと思いますので、様々な病院の意見を取り入れ、今後も機能がバージョンアップされることを期待したいですね。

お客様プロフィール

JA三重厚生連 鈴鹿中央総合病院

病院概要

三重県鈴鹿市に拠点を構え、急性期医療を担う460床の基幹病院。
三重県臨床研修病院として、地域医療を担う次世代の医師の育成にも注力されております。

病床数

一般病床460床(緩和ケア病床20床含む)

診療科目

内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、血液・腫瘍内科、呼吸器内科、小児科、外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、産婦人科、耳鼻咽喉科、精神科、麻酔科皮膚科、放射線治療科、放射線科、リハビリテーション科、脳神経内科、眼科、呼吸器外科、心臓血管外科、リウマチ科 、病理診断科、緩和ケア内科