導入事例

日本赤十字社 諏訪赤十字病院

検査試薬管理のシステム化と会計システム連動の継続を目指す
二人三脚で安定稼働を実現

諏訪赤十字病院は日本赤十字社が運営する、病床数455床の総合病院。クラウド型在庫管理システム(ODSS)導入の決め手や導入後の効果について、管財課課長 田中様(写真左)、係長 鈴木様(写真右)にお話を伺いました。

検査試薬のロット・有効期限管理のシステム化を目指す

試薬在庫管理システム(ODSS)導入前の貴院のご状況を伺えますでしょうか。

田中課長:ODSSの導入以前より当院ではISO15189の認証を取得しており、検査試薬のロット・有効期限管理に取り組んでおりました。しかしながら、台帳を活用したアナログな管理方法だったため、より簡易な運用に出来る様にまずは検査試薬の在庫管理、ロット・有効期限管理に関してシステム化の検討をしていました。

鈴木係長:検討当初は、従来薬剤部の医薬品在庫管理に利用していたオンプレミス型システムのバージョンアップによって試薬のロット・有効期限管理機能を搭載しようと考えていました。しかしながら、バージョンアップにかかる費用面で折り合いが付かずに検討は保留。そんな中、クラウド型試薬在庫管理システム「ODSS」のご紹介を受けました。

検査試薬のロット・有効期限管理が可能で、かつクラウド型のシステムという事でコスト面も魅力に感じ、導入をするにいたりました。

入庫作業、棚卸作業の業務効率化を実感

―ご利用いただく中で特に効果を実感いただいている機能はございますか。

鈴木係長:入荷と棚卸の機能は非常に便利になったと実感しております。入荷に関しては、取引卸様から送信されるロット・有効期限付きの納品データを活用できています。一部対応が出来ない取引卸様もありましたが、主要部分はカバーが出来ている認識です。当院に実際に納品となった試薬の入荷データをシステムで受信するだけで入荷の処理が完了するため、膨大な入力作業などが必要無いのがメリットですね。また、払出についても「いつ」「誰が」「どのロット・有効期限の試薬を」「どこへ」払い出したのか管理をする、トレーサビリティを強化できました。

田中課長:入荷以外は棚卸も簡略化することができましたね。手作業での棚卸表への記入から商品本体のバーコードをスキャンし、ODSSに取り込むだけで結果を確認することが可能な運用にすることができました。手書きに比べ、計測した数量を後から手入力する手間が削減できた分、時間短縮につながっています。この部分は、実務担当者からも評価が高いです。

会計システム連動に向けて、システムカスタマイズで対応。

―ご評価くださりありがとうございます。システムをご検討される中で、日本赤十字社独自のシステム開発もあったとか?

田中課長:そうなんです。日本赤十字社として、月間の医薬品や検査試薬の入出庫・在庫の有高を会計システムに連動をさせる仕分け業務を行う必要がありました。従来のオンプレミス型システムは会計システム内のオプション機能だったため、安定した運用が構築出来ていました。システムをODSSへの切り替え後も、連動を継続する必要があったため、当院独自の機能カスタマイズをご依頼しました。

鈴木係長:システムの導入当初は認識の相違もあり、正直いって最初の連動作業は苦労がありました。システム導入担当の方とも何度もやり取りがありましたしね。当院としての仕分けの考え方をODSSに反映させるために何度かメンテナンスの内容を打ち合わせ、対応をしていく流れでしたが、やり取りの甲斐もあって、現在はスムーズに連動作業が行えています。

田中課長:鈴木係長や現場担当者から当時の状況を聞くこともありますが、苦労はあったようですね。病院経営の考え方とシステム構築の考え方に認識の違いはある中ですが、並走いただきながらシステムに反映いただいた事には感謝しております。

在庫の管理というと、資産としての意味合いやロット・有効期限管理といったトレーサビリティ強化の側面もありますが監査や会計的な側面もあります。ODSSは、そうした第三者に対して不備のない報告や公正・適正な業務を開示するという意味合いでも評価が出来るんじゃないでしょうか。当院では一旦のところ安定稼働にこぎつけましたが、ODSSは全国の病院からの要望を反映させ、アップデートされるシステムだと伺っております。今後ますますの機能改良を期待したいです。

お客様プロフィール

日本赤十字社 諏訪赤十字病院

病院概要

地域医療支援病院、地域災害拠点病院、がん診療連携拠点病院(高度型)、がんゲノム医療連携病院、救命救急センター、地域周産期母子医療センター、認知症疾患医療センター、臨床研修指定病院などの指定を受け、長野県南信地域、特に諏訪二次医療圏の基幹病院として、がん、循環器病などの高度医療、24時間体制の救急医療を柱に診療を行っています。

病床数

455床(一般425床・精神30床)

診療科目

内科・精神科・脳神経内科・呼吸器内科・消化器内科・循環器内科・小児科・外科・救急科・整形外科・形成外科・脳神経外科・呼吸器外科・心臓血管外科・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・麻酔科・腎臓内科・リハビリテーション科・血液内科・腫瘍内科・乳腺内分泌外科他